御殿場口から富士登山

その74
 
本日、富士山が初冠雪とのことですが、9月5日(水)に御殿場口から富士山に登りました。
 
北九州からここまで約1000キロあります。昨年は仕事が終わって仮眠した後に、夜中に高速に入って静岡
 
県に着いたのですが、疲れてホテルでよく眠られずに睡眠不足のフラフラの状態で、須走口(標高2000m)
 
から登った辛い経験がありました。今回は一日ゆっくりして万全の体制で・・と考えましたが、結局、同じような
 
状態で、御殿場口の駐車場(標高1440m)から4時40分出発です。ここから2300mの高さを登るのです。
 
夏休みが終わった平日で、また多くの登山客は、標高2500mの富士宮口などから登るのでガラガラです。
 
 
登り始めて、一時間過ぎには太陽が見えて、大き過ぎて低く見える富士山が、朝日を浴びて赤く染まりました。
 
ここのルートは、歩きにくい砂礫で、ジグザグの登山道を歩きます。2000mもならないうちに疲れて休み休み
 
です。結局10人くらいの登山者(全て単独の男性)に頂上までの間に追い抜かれましたが、ここを登る人は
 
当然ながら、健脚ばかりです。まったく休まずに歩き続けている人を何人も見ました。
 
他のルートに比べて、山小屋も少ないのですが、過去を反省しながら、静かに登るには良いと思いました。
 
 
予定した12時を大幅に過ぎて15時半に山頂です。昨年と同じく、「ゆっくりでも、前に進めば、必ず到着する」
 
と思い、自分の人生に大きな自信となりました。このような体調でも達成できたことは体力、精神力も衰えて
 
ないからだと嬉しくもなります。昨年と同じく、山頂で、知人からの依頼で、般若心経を唱えました。
 
日本で一番高い、神聖な場所で、家族や知人の幸せを願いました。
 
 
体調を考えて、15時45分に下山開始です。登りに比べるとはるかに楽ですが、それでも結構な距離です。
 
ここも下山ルートは別で、有名な大砂走りが楽しめます。やわらかな砂礫を滑るように走ります。一歩で
 
2~3mは進むのです。しかし、私がこの下山ルートの最後だったようで、17時以降は全く人影も見ず、
 
それどころか、周囲には鳥や虫などの命を感じされるものがまったくないことに気づきました。草もありません。
 
これまでの人生で味わったことのない軽い恐怖感を感じましたが、ずっと続くロープに沿って行けば駐車場に
 
戻れることだけは間違いないのです。18時以降は暗くなって、懐中電灯で道を照らしながら、19時着です。
 
5台くらいの車がありましたが、これは山頂に泊まる人のものでしょう。当然、駐車場にはだれもいません。
 
自分が、いかに幸せな状態であるかを実感した大満足な一日でした。
 
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登り始めて一時間あまりで、太陽が見え始めました。格別な思いです。
 
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低く見える富士山が、朝日を受けて赤く染まります。
 
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山頂に荷物を運ぶブルトーザーは専用の道を登ります。体調の悪くなった人を乗せることもあると聞きました。
 
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このような標識を見ると、少し、ほっとします。
 
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日本で一番高い場所に立つ喜びと興奮は、疲れも忘れます。
 
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砂走りに疲れて、振り返りました。一面、砂礫と石が見えるだけです。生命を感じない世界です。