長崎市 孔子廟を訪れる

その538


長崎孔子廟は、1893年に清朝政府と在日華僑が協力して建てた日本で唯一の本格的な中国様式の

孔子廟で・・・・・・・・・・(敷地内のある中国歴代文物展示館は)、中国国内の博物館が提供する、国指定

一級文物(国宝)クラスを展示 した特別展示室。 とのことです。 受付でもらった説明書より。


先回、ここに来たのは何年前か、どのような内容だったか覚えていない情けなさなのです。

友人たちと、ランタンフェスティバルを見物する前に寄ったことは絶対に間違いないのですが。

その友人のひとりと、中国曲阜市の孔子廟を訪れたことも、どちらが先かも覚えていないザマです。

受付で、600円納めて中に入りると、そんなに大きくはありませんが、中国風庭園があります。


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      この儀門の前に小規模な中国風庭園が。狛犬?は福建石獅とのこと。

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      獅子の口の中は掘り込まれた丸い石。手で転がすことができます。よしよし。

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      儀門から正面の大成殿を見る。並んでいるのは72賢人石像

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      大成殿の中の孔子座像。 太鼓が日本なのには少し笑いました。


この大成殿の裏に三階建ての中国歴代文物館があります。 一階はお土産、記念品の売店です。

孫文の生誕150年記念で、二階はかなりのスペースを使って、その歴史や功績などを展示してしましたが、

説明文が中国語と英語だけなのです。 これでは多くの日本人は・・・・、すっきりしない感じでした。

二階、三階には、中国の陶器(私には審美眼なし・・)、紀元前の青銅器、象牙を掘り込んだ飾り物、

中国の皇帝の衣装復元(漢の武帝や溥儀など)他、儒教論語に関する資料は必見とも言えます。

毎度のせこい話ですが、これほどの展示物を見学できて、600円は大変に得をしたような気分です。


私が驚いたのは、てん(サンズイに眞)王之印の金印です。 これは福岡博物館展示の国宝 金印 と

ほぼ同じ大きさで、つまみがヘビという共通のもので、中国でも他にまだ発掘がなかったように記憶して

います。 北京中国歴史博物館 所蔵 と書いていますが、これは貸し出しなのか? 監視員もいなく、

私以外に見学者もいない、こんな(失礼・・)ところに展示していいのか?どこにもレプリカとはありません。


このヘビのつまみのデザインがまがまがしいというか、強烈な印象を受けて、夢にまで出てきそうです。

日本の金印はヘビなのか一見してわかりませんが、てん王のものはなんだかミイラを連想するのです。

名著 日本の古代1(中央公論社)にもこのてん王之印(BC109年下賜)と日本の金印(AD57年下賜)

の比較が書かれています。1956年この金印発掘が日本の金印真贋に大きな影響を与えたと思います。


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      これは3月に見学した福岡県の古賀市立歴史資料館の写真。 中国各地で出土した印の数々。



実はこれはレプリカだそうです。 体温が上がる思いでしたので、受付で聞いて力が抜けました。

何だか、他の文物もレプリカが交ざっているのかと少し疑い、ありがたさもなくなる思いでした。

この展示館は撮影禁止ですが、私の経験では中国の博物館で撮影禁止は記憶にありません。

金印で興奮して、受付でがっかり、納得して、冷静になって、少し立腹、身体に良くありませんね。

しかし、この孔子廟、中国歴代文物展示館は、グラバー園よりは、はるかに訪れる価値があると思います。