箱根のポーラ美術館

その70
 
旅行の大きな楽しみは、興味のある博物館や美術館に行くことです。
 
9月6日。以前から訪れたかった箱根のポーラ美術館で、大満足の時間を過ごしました。
 
人気の高い印象派やポスト印象派の作品を国内で見るならば、東京の国立西洋美術館や、倉敷の大原美術館
 
が知られていますが、ポーラ美術館も引けを取りません。またピカソのコレクションは充実しています。
 
 
日本画家の名画も多く、岸田劉生の“麗子坐像”は、作者の念が込められたような独特な印象を受けました。
 
またゴッホの有名なアルルの跳橋(ラングロア橋)と同じような構図の作品(ヴィゲラ運河にかかるグレーヌ橋)
 
もありました。河で洗濯をする女性たち、橋の手前の小船なども似ていて、興味深いものでした。
 
 
一番の感動は、ブラマンクの“雪”です。
 
ブラマンクの冬の絵は、たくさんあるようで、ゴッホにはない独特の物悲しさがたまらない魅力ですが、
 
この“雪”は、素晴らしい興奮を覚えました。暗い空の色、暖かさを感じない建物、その前に立つ男女。
 
おそらく夫婦か、恋人であろう男女のつながりだけが、この絵の中の唯一の暖かさを表すように感じます。
 
しかし、その男女も、愛が続いているのか、冷めきっているのか、心の中はまったくわからないのです。
 
まったく勝手な解釈ですが、北九州市立美術館の“雪”や、ひろしま美術館の“雪景色”を見ているだけに、
 
脳が一気に活性化した刺激を受けました。本当に幸せなひとときでした。
 
 
今回は、シャガールの“私と村” などは、展示していませんでしたが、本当にお勧めできる美術館です。
 
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入口。自然に囲まれた環境も結構です。コーヒーセット(850円)のモンブランが大変美味しく感じました。
 
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海外の美術館と違って、ここも写真不可です。知人から送ってもらった画集を転写したもの。