盆栽の話

その130

盆栽という言葉は英語化されています。名作、“ライム・ライト”で、チャップリンが盆栽の松の真似をして女性を
 
元気付ける場面があり、以前、ヒットした “ベスト・キッド” にも出てきました。日本文化の代表的な存在として
 
英語圏の人は位置づけているようです。日本人の愛好家は、私には、“波平さん” 以外に思い浮かびません
 
が、中国やシンガポールだけでなく、かつての中華文化圏であるベトナムなどでも愛好者は多いようです。
 
英国、シンガポールニュージーランドなどの庭園の売店で、“BONSAI” という本を何度も見かけました。
 
 
元々、多くの文化同様、中国から平安時代に入ってきたとのことですが、今でも中国では、蘇州を初めとして
 
多くの中国庭園の一角に、“盆景園” という日本でいう盆栽を並べたコーナーがあり、日本の盆栽と同じような
 
光景です。ちなみに石を主体に組み合わせたものを “盆石” と呼んでいますが、感性は似ているようです。
 
 
この盆栽を見て感じるのは、日本庭園や中国庭園も同様ですが、左右対称(シンメトリー)や幾何学的(ジオグ
 
ラフィー)な美しさではなく、極端にゆがめたり、小さな鉢の片方に寄せて植え込んだりしたカタチが、何とも言え
 
ない安定感や落ち着きを感じる不思議さなのです。西洋的な庭園の美しさになれている欧米人でも、美の基準、
 
価値がまったく違うようなデフォルメされた姿の盆栽も好きになるのか・・・疑問であり、興味深いのです。


盆栽は凝縮された空間に庭園の美を表現することなのでしょうが、評価の高い作品はいいなと感じますね。
 
イメージ 1
京都府立植物園の盆栽コーナー。「松の枝振りがイイですね。」という表現しか思いつきません。
 
イメージ 2
中国のどこかの町(杭州?)で見た盆景。なぜか、いいな・・と思うバランスの良さです。
 
イメージ 3
これは盆石で、水を張っています。上海の庭園の建物の中にありました。大小のバランスが良いのです。