その170
マドリッドから日帰りで行ったカンポ・デ・クリプターナの風車。列車が少なく、炎天下片道2時間歩きました。
「ピレネー山脈を超えると、そこはアフリカだった」 ということをスペインの紹介で、時々、聞きます。
出典は知りませんが、確かにフランスから、スペインに入ると、ヨーロッパと違った気候、風景や、イスラムの
には誰もいません。 この時、男性トイレを探していましたが、ヨーロッパは、おそらく日本の10分の1くらい
しか公衆トイレがない印象です。段々、事態は深刻なものになっていきました。大変な暑さに目まいもしそう
「オラ!」(やぁ)は少し失礼だな・・「オイガ!」か、「ペルドン!」(ちょっと、スイマセン)がいいな。そして笑顔で
穏やかに、「ヨ ソイ ハポネス。 ドンデ エスタル セルビシオ?」(日本人ですがトイレはどこですか?)で、
通じるだろう・・。 このように考えていると、不審げにチラチラこちらを見ながら、うつむき加減で、歩いてくる
老女との距離が近づいていきます。
私も、警戒感を与えないために、サングラスをはずし、飛び切りの笑顔をうかべようとしましたが、おそらく、
私も、警戒感を与えないために、サングラスをはずし、飛び切りの笑顔をうかべようとしましたが、おそらく、
顔がこわばっていたと思います。5メートルくらいの近さで、声を出そうとしましたが、ノドの渇きで、まったく
声になりません。焦って、目の前の距離になったとき、右手を上げて、つい予想外の大声で、「オイガ!」と
叫ぶと、そのおばあさんは、とんでもなく驚いて、「ヒィー」とのかすれ声とともに、路地の壁に両手を広げ張り
付き、おびえていました。私も突然の出来事に、何をすればいいのか、何語をしゃべればいいのか、近づく
べきか、頭が全く働かず・・、2,3秒後に出結論は、「逃げるしかない!」 です。
「ペルドン」 と言って小走りの背中に、かすかなうめき声が聞こえました・・。
悪いことをしたような後味の悪さですが、ずっと続きました。